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元旦。

元旦、芸人の朝は早い。

八時くらいには師匠宅へ。
前座のやえ馬やいっぽんはもっと早くから来ているし、風車ももう働いている。

馬るこは? まだ? 昨日カウントダウンイベントやったらしいからね、疲れが残っているかしら。
おや、ホンキートンクの兄さん方がもう来てる。東洋館の出番が早いから? そうだよね。

お正月は寄席の開演時間も早いのです。浅草なんか九時に開演ですもん。

一門はもちろん、一門以外の芸人が年始の挨拶にみえるので、
馬風家ではおカミさんの手料理でもてなすのです。

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ホンキー兄さんが帰ると、ロケット団がやってくる。取材のカメラを連れて。
BS日テレに追っかけられているらしいです。

にゃん子金魚先生、遊平かほり先生もやってくる。
うちは、噺家以外に色物さんも多い一門なのです。

十時くらいには噺家の弟子はみな揃って、乾杯。
ご挨拶して、手ぬぐいを交換して、ごちそうやお雑煮を食べて、
それぞれの時間に出かけていきます。

この頃には、違う一門の方も年始の挨拶にやってきます。
玄関先で挨拶だけして帰る方、上がってお雑煮を召し上がっていく方、
飲んでごきげんになっていくかた、いろんな方がいます。

我々若手は、接待役。

昼過ぎに師匠が寄席に出かける、まだお客様もいるので、役割を分担して、
接待は任せて、今年は私が師匠のお供で出かけることに。

鈴本から、東洋館、浅草演芸ホール、行く先々でお席亭、師匠方、二ツ目仲間、前座さんお囃子のお師匠さんと、
おめでとうございます、本年もよろしくお願いします、と。
今日一日で、どれだけ〈おめでとう〉のやりとりをしたことでしょう。


暗くなった頃に師匠宅へ戻ると、お客様は帰って、片付けもあらかた終わっている。


おつかれさまでした。ってんで、師匠と、おカミさん、お身内の方と、若手で、ゆるりと飲ませていただく。

なます、煮物、ミートローフ、ブリの焼いたの、かずのこ……どれも美味。
本日に二杯目のお雑煮をいただいて、片付けを済ませて、帰宅。


自転車をこいでいて、ふと見上げると、大きな月が。満月かしら。

いい一年になりそうだ。

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こせん

Author:こせん
柳家小せん
(やなぎやこせん)

落語協会所属 真打になりました
鈴々舎馬風門下

横浜・戸塚出身

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